無職で暇なので、昔に買った本を読み返しています。その中で、「レバレッジリーディング」という本が印象に残ったのでレビュー記事にしたいと思います。
本書の発行は2006年なので、18年も前の本ということになります。内容はざっくり言うと「ビジネス書多読のすすめ」です。多読術的な考えは今でこそありふれていますが、当時の若くて経験不足の自分にとっては新鮮な考えで、色々な本を読むきっかけになった本でした。
本書で優れていると思うのは、読書後に印象に残った文章だけを抜粋してメモを作り、それを何度も読み返しましょうという教えです。そうすることで読みっぱなしで終わらず、本の内容を自分の考え方や行動に浸透させることができると筆者は主張しています。このやり方はとても理にかなっていると思っています。例えば、本を読んでいる最中は心を動かされても、時間の経過とともに内容を忘れてしまい、結局は何も残らなかったということがよくあります。メモを作り読み返すことで、定期的に内容を思い出すことになるので、結果として本の内容をいつまでも覚えていることになり、著者の思想に自然と染まりやすくなると言えます。
現在とはIT環境が全く違う時代の本なので(iphoneがまだ存在しない時代…!)、メモの作り方や作った後の運用方法はかなりアナログなのですが、メモのエッセンスだけを取り入れ、メモの具体的な作成・運用方法は読者が各自で最新のIT環境や自分の読書スタイルに合わせて模索すれば良いと思っています。
一方で、自分には合わないと感じたのは、「あらかじめ本を読む目的を決めておき、目的と関係ない文章はどんどん読み飛ばして1日1冊のスピード感で読書をするべき」という主張です。飛ばし読みをすると全体の流れが分からなくなってしまう、と感じたのと、このような速読術が通用するのは、数ページの独立したコラムを寄せ集めたような、日本人著者によるうっすい内容の自己啓発書だけではないかと思ったからです。とはいえ、「ダメ本はさっさと切り捨てて読むのをやめる」であるとか「微妙な本に時間を使っていたら、良い本を読む時間がなくなる」といった筆者の考えには共感できる部分が大いにあり、ある程度の読み飛ばしとスピード感が自分に必要なのは認めざるを得ないです。
総じて、読書習慣のなかった昔の自分にも読みやすく、ビジネス書特有の「自分が有能になったかのような錯覚」を味わうことのできる良い本でした。
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